異物排除のしくみ
私たちの身体には呼吸や食べ物を通じて絶えず細菌、ウイルス、有害化学物質などの異物が侵入してきます。また、毎日体内で数千個生まれている恐れのあるがん細胞の排除も大切です。これらの異物を、身体を傷つけないで排除している仕組みを「免疫」と呼んでいます。
初めて侵入した異物の排除は、主に次の3段階で行われます。
(1)物理的障壁(皮膚、喉・腸管の粘膜)
(2)食細胞(好中球、マクロファージ)による貪食とNK細胞
(3)免疫(抗体、キラーT細胞)
異物を最前線で阻止するのは、皮膚の角質や喉・腸管の粘膜です。これを突破されると、食細胞と呼ばれる細胞が食べて処理してくれます。ウイルスはNK細胞が排除します。異物侵入後2、3日間はこれらの細胞が防御にあたります。防御に失敗すると、免疫の登場が必要で通常は7日以上かかります。免疫は抗体をつくり、キラーT細胞を誘導し、単独または食細胞との連携で細菌、ウイルス、アレルゲン、がん細胞などの異物を排除します。
白血球の種類とはたらき
免疫のしくみによって異物を排除しているのは、白血球と抗体です。白血球は骨髄でつくられ、顆粒球、単球、リンパ球の3種類に分けられます。白血球の大半を占める好中球は、細菌を貪食・処理します。リンパ球のNK細胞とキラーT細胞は、ガン細胞とウイルス感染細胞を殺傷します。
B細胞は抗体をつくり、好中球やマクロファージとともに細菌を効率よく排除します。制御性T細胞は、免疫の過剰反応を抑制するブレーキの役割を果たします。その他に、近年発見された肝臓、皮膚、腸などに多くみられる「胸腺外T細胞」があり、がん細胞ウイルス感染細胞を排除しています。
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LEMの免疫賦活作用
LEMの細菌感染の防御作用
ペニシリンを始めとする多くの抗菌薬の開発は、細菌感染症の治療に驚異的な威力を発揮しました。
しかし、抗菌薬の過剰投与は、耐性菌の出現というやっかいな問題を引き起こしています。
また、人類はHIV感染症のような新しい感染症の出現と、結核やコレラのような一旦克服した、または克服しつつあると考えられていた感染症の復活に悩まされています。
「LEM」には、殺菌活性増強効果のあることがわかりました。マウスに予め「LEM」を投与し、緑膿菌やサルモネラ菌を感染させます。24時間後の脾臓と腹腔の生菌数は、著減していました。この結果は、「LEM」が脾臓と腹腔のマクロファージを活性化し、緑膿菌やサルモネラ菌を貪食・排除した結果であることを示しています。
LEMの抗腫瘍性作用
日本人の死因のトップはがんで、平成15年には約300万人の患者がおり、今後も増加傾向が続き、平成27年には533万にまで増えると言われています。早期のがんは医学の進歩によりほとんど克服されるようになりました。進行がんに対しては、放射線治療、化学療法、外科療法、温熱療法、免疫療法のいくつかの組み合わせによる集学的治療が行われています。
「LEM」には、肝がん細胞の増殖抑制や化学発癌剤による発がん抑制など、抗腫瘍性作用のあることが動物実験で明らかとなりました。「LEM」の抗腫瘍性作用は、がん細胞を直接殺傷するのではなく、免疫を介してがん細胞を殺傷排除します。
免疫異常と病
免疫の異常が病気を招く
私たちの免疫の状態はいつも一定というわけではなく、ある時は低下し、ある時は亢進していることがあります。その状態に応じて、一定に戻そうという力、復元力が働きます。しかし、強く長く続くストレス、体質、自律神経失調症などにより、異常な免疫状態が続くと、病気を発症します。例えば、免疫が低下すると、風邪やヘルペスなどの感染症、がん、糖尿病などの生活習慣病に罹りやすくなります。逆に免疫が亢進すると、花粉症、喘息などのアレルギー性疾患を引き起こします。関節リウマチやバセドウ病などの自己免疫疾患は、免疫が自己に対して攻撃する免疫異常によって起こる病気です。自己免疫疾患は免疫低下で発症した感染症が原因になっていることが多くあります。
免疫を正常にはたらかせるためには
日本は少子高齢化社会を迎え、また予期もしなかった東日本大震災と原発事故に遭遇し、多くの人々が不規則な食生活や精神的ストレスなど、免疫異常を起こしやすい状態の中で生活しています。健康で快適な日常生活をおくるには、免疫を正常に保つことが大切です。しかし、免疫は単独ではたらいているのではなく、神経、内分泌と協力しあって、身体を一定に保つ恒常性の維持を図っています。この関係が強固であればあるほど、病気にかからない、かかっても早く回復することができます。
「LEM」はおかしくなってしまった免疫力を正常に戻すはたらきがあります。今日のストレス社会を生き抜くために、必要なものの一つです。